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【メルセデス・ベンツ|CLA|W117】DCTオイルの交換及びDCTコントロールユニットのアダプション|東京都町田市K様

  • 2025年11月18日
  • 読了時間: 5分

メルセデス・ベンツ CLAクラス(W117)


ご相談内容


メーターのディスプレイに「後退できません」と赤文字の警告メッセージ点灯でご相談いただきました。

メルセデスのコンパクトカー(Aクラス、Bクラス、CLA、GLAなど)はトランスミッションにDCT(ダブルクラッチトランスミッション)を採用しています。

この手のトラブルは非常に多いのが現状です。

実際警告メッセージはエンジンかけなおしたり、一晩置いてみると消えたりするのですが、消えたからと言ってそのまま放置するとDCT本体が故障し、修理費用が膨れ上がる。なんてこともあります。


そもそもメーカー指定の定期交換部品になりますので、このメッセージが車からの最終警告くらいに思った方がいいかもしれません。




作業風景ご紹介:DCTオイル交換


直4エンジン(M270)
直4エンジン(M270)

まずエンジンルーム内のエアクリーナーハウジングをごっそり取り除きます。

DCT上部に外付けのオイルフィルターがあり、それを交換するのと、オイルパンのボルト8本のうち上側3本はエンジンルームからアクセスするので作業スペースを確保するためです。


車両をリフトアップして下側へ。

アンダーカバーを外すと見えるのがDCT本体です。

オイルパンが横向きについているのが珍しいです。


DCTオイルの排出。

オイル自体はそこまで真っ黒というわけではなかったです。


ドレンボルトにマグネットがついており、このマグネットでトランスミッション内の鉄粉を吸着してオイルと一緒に鉄粉が回るのを防ぎます。


取り外したオイルパン
取り外したオイルパン

オイルパンを取り外すと見える大きい板のようなものが内部のオイルフィルターになります。


フィルター内部にも結構な量の鉄粉。


用意した新品部品たち
用意した新品部品たち

・オイルパンガスケット

・内部オイルフィルター

・外部オイルフィルター

・ドレンボルト

・ドレンワッシャ


これらを全て新品に交換します。


新旧比較
新旧比較

車を少し下げ、エンジンルームからアクセス。

最初に作業スペースを確保したあたりの外部オイルフィルターを交換。


オイルパン自体は再使用するのでオイルパン内側を清掃し、新品ガスケットを取り付け。

内部オイルフィルターも新品に交換。


逆の手順で組みつけ。


すべて組みつけたらDCTオイルを注入します。

注入はエンジンルームにあるパイプから行います。

ロックピンがささっているのでピンを抜き、カバーを取り外します。


今回使用するDCTオイル。

MOTUL(モチュール) MULTI DCTF


規定量注入



作業風景ご紹介:DCTコントロールユニットのアダプション

DCTオイルの交換が終了したらベンツ専用診断機をつなぎ、コントロールユニットのアダプションを行います。

指示された油温まで暖め、すべての実測値が基準値に入ると次に進めます。


そのあとも指示通り進行。


完了です。

アダプションを行わないと、せっかくオイルを新品に交換したのに「シフトチェンジできません」という警告メッセージが表示されたり、シフトショックが大きくなったりしますのでほぼほぼ必須の作業です。

ベンツ専用診断機をずっと使ってますので汎用の診断機でアダプションが行えるのかはわかりませんが、そもそもアダプションの必要性を知らない工場などにDCTオイルの交換を依頼するのは危険かもしれません。


最後に試運転を行い問題がなければ作業終了となります。







■ DCT(デュアルクラッチトランスミッション)とは?


DCTは、奇数段・偶数段でそれぞれ別のクラッチを持ち、次のギアをあらかじめ待機させることで、素早く滑らかな変速を実現する仕組みです。

CLA(W117)の7速DCTの特徴

  • スポーティで素早いシフトチェンジ

  • 高効率で低燃費

  • 機械式ATの中では繊細な構造で、オイル管理が非常に重要


特にベンツのDCTは熱の影響を受けやすく、オイルの酸化・劣化が進むとトラブルに直結します。




■ DCTオイル交換が必要な理由


DCTオイルは「一応長寿命」とされていますが、実際には約4〜5万kmごとの交換が推奨される消耗品です。その理由は以下の通りです。


1.オイル劣化が変速品質に直結する

DCTはクラッチ制御・油圧制御が非常に繊細で、オイルの状態=変速の質と言っても過言ではありません。劣化したオイルでは油圧が安定しないため、

  • シフトショック

  • 発進時のジャダー

  • ギア抜け

  • 変速遅延

などが発生します。


2. 変速トラブルの予防

DCTのメカトロニクス(コントロールユニット)は非常に高価で、故障すると30万円以上の修理費になるケースも。定期的なオイル交換は、こうしたトラブルを予防する最も確実な方法です。


3. アイドリング時の振動軽減

オイルが新しくなることでクラッチの作動がスムーズになり、発進時や低速走行時の振動が軽減されます。




■ DCTコントロールユニットのアダプション(初期学習)とは?


オイル交換後に必ず行いたいのが、この「アダプション(学習リセット+再学習)」です。


● なぜアダプションが必要なのか?

DCTは走行状況に合わせて以下を学習しています。

  • クラッチの摩耗量

  • 変速タイミング

  • 発進クラッチの接続ポイント

オイル交換後も以前の劣化オイル状態のデータが残っていると、新しいオイルでも正しい制御ができない状態になってしまいます。


● アダプションを行うと…

  • 変速ショックの改善

  • 発進クラッチのスムーズさ向上

  • ギアチェンジのもたつきを解消

  • 全体的なドライブフィールの向上


CLAの本来の軽快なシフトフィールが戻ります。




■ まとめ|CLA(W117)はDCTオイルとアダプションが鍵


メルセデス・ベンツCLA(W117)のDCTは、性能面では優秀ですが、オイル管理と電子制御のリセットが非常に重要なトランスミッションです。


● 本記事のポイント

  • DCTオイルは4〜5万kmまたは4年ごとに交換が推奨

  • 劣化したオイルは変速ショックやジャダーの原因

  • オイル交換後は必ずアダプション(初期学習)を行う

  • 正しい作業でCLA本来のシフトフィールが復活


「最近変速がぎこちない」「DCTの動きが気になる」というCLAオーナー様は、早めの点検とオイル交換がおすすめです。




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