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メルセデスベンツ/Vクラス/W447/DPF再燃焼

  • 執筆者の写真: GARAGENT ガレージェント
    GARAGENT ガレージェント
  • 1月12日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月8日

メルセデス・ベンツVクラス(W447)のDPF再燃焼(再生)について

メルセデス・ベンツVクラス(W447)は、商用車としての実用性と高級車としての快適性を兼ね備えたミニバンです。そのディーゼルモデルにはDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)が搭載されており、これがエンジンから排出される有害な粒子状物質(PM)を捕捉する役割を果たしています。しかし、DPFは適切に管理しないと目詰まりを起こし、エンジン性能の低下やトラブルの原因となる可能性があります。そのため、DPFの再燃焼(または再生)プロセスについて理解することが重要です。



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DPF再燃焼とは?

DPF再燃焼とは、DPFに蓄積された粒子状物質を高温で燃焼させて除去するプロセスを指します。これにより、DPF内部が清浄化され、フィルターの性能が維持されます。再燃焼には主に以下の2種類があります:

  1. 受動再燃焼:エンジンの通常運転中に、排気温度が十分に高い場合に自然に行われます。例えば、高速道路を一定速度で走行している際に、排気温度が上昇し、DPF内のススが燃焼します。

  2. 能動再燃焼:排気温度が十分に高くならない場合、エンジン制御ユニット(ECU)が燃料噴射や排気温度の調整を行い、意図的にDPF内のススを燃焼させます。このプロセスは、通常、短距離走行が続いた場合や低速運転が多い場合に必要となります。




W447における再燃焼の仕組み

メルセデス・ベンツVクラス(W447)のDPF再燃焼プロセスは、最新のエンジン制御技術によって管理されています。以下は、その主な特徴です:

  1. センサーによる監視

    • 圧力センサーや温度センサーがDPF内の状態を常時監視し、目詰まりの程度を判断します。

  2. ECUによる制御

    • ECUがDPFの状態に応じて再燃焼のタイミングを決定します。能動再燃焼が必要な場合、エンジン運転条件を調整して排気温度を上げます。

  3. 再燃焼の通知

    • 再燃焼が必要な場合、ドライバーに通知されることがあります。例えば、インストゥルメントクラスターに警告メッセージが表示されることがあります。





再燃焼を促す運転方法

DPFの再燃焼を効率的に行うためには、以下のような運転方法を心掛けることが重要です:

  1. 高速道路走行を定期的に行う

    • 高速道路を60–80km/h以上の速度で20–30分間連続して走行することで、排気温度を上昇させ、受動再燃焼を促すことができます。

  2. アイドリングを控える

    • アイドリングが長時間続くと、排気温度が低くなり、ススの蓄積が進む可能性があります。できるだけ短時間でエンジンを停止するようにしましょう。

  3. 短距離走行を減らす

    • 短距離走行を繰り返すと、DPFが再燃焼する機会が減ります。可能な限りエンジンを長時間運転する状況を作ることが推奨されます。





再燃焼が行われない場合のリスク

DPF再燃焼が適切に行われない場合、以下のようなリスクが考えられます:

  1. 燃費の悪化

    • DPFの目詰まりが進むと、エンジンの負荷が増え、燃費が悪化します。

  2. エンジン警告灯の点灯

    • DPFが完全に目詰まりすると、エンジン警告灯が点灯し、出力制限がかかる場合があります。

  3. 修理費用の増加

    • 最悪の場合、DPFを交換する必要があり、大きな出費が発生する可能性があります。





定期的なメンテナンスの重要性

DPFの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下の点に注意してください:

  • オイル交換

    • DPF対応オイルを使用し、規定の間隔で交換することが重要です。不適切なオイルはDPFの寿命を縮める可能性があります。

  • 診断ツールの活用

    • 専門の診断ツールを使用してDPFの状態を確認し、必要に応じて清掃や再燃焼を行います。





ここまでDPF再燃焼について説明してきましたが、今回作業させていただいた車両は運転中の再燃焼がうまく作動せず、ススが蓄積し警告灯を点灯させていました。

再燃焼がうまくいかない原因はいくつもありますが、ひとまず現在溜まってしまっているススを診断機を使用し強制的に燃焼させます。


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ススの推積率が227%ととんでもないことになっています。


再燃焼開始。

排気システムが600℃まで上がるので注意です。

(暖房いらずで工場が暖かくなるほどの熱を持ちます)




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1回の再燃焼作業では燃やしきることができなかったので2回実施。

上記写真は作業途中のものになりますが、最終的に19%まで減りました。




このあとお車をお返しして様子を見てもらっていましたが、2週間ほどでまたススがたまってしまうようで、完全に改善とはいきませんでした。


今回のお車に関しましては結果的にDPF本体の不良となり、おおよそ40万円ほどの作業となります。

今回は正常でしたが、その他にもセンサーの不良やエンジンコントロールユニットの不具合など様々な原因が考えられますので似たような症状でお悩みの方は是非一度お問い合わせください。









まとめ

メルセデス・ベンツVクラス(W447)のDPF再燃焼プロセスは、エンジン性能を維持し、環境負荷を低減する上で重要な役割を果たしています。適切な運転方法と定期的なメンテナンスを実施することで、DPFの寿命を延ばし、トラブルを未然に防ぐことができます。日頃からDPFの動作状況を意識し、安心してVクラスをお楽しみください。

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