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メルセデスベンツ/Eクラス/W212/後期/エアサス交換/車高落ちる/アライメント調整

  • 執筆者の写真: GARAGENT ガレージェント
    GARAGENT ガレージェント
  • 3月12日
  • 読了時間: 4分

メルセデス・ベンツ Eクラス(W212後期)

車高落ちのためリアエアサスを交換とアライメント調整をさせていただきました。




エアサスペンション(エアサス)を採用しているグレードでは、特に滑らかな乗り心地が魅力です。しかし、経年劣化や走行距離の増加により、リアのエアサスが故障し「車高落ち」が発生することがあります。

本記事では、W212後期のリアエアサスの特徴や車高落ちの原因、交換の必要性、そして交換後のアライメント調整の重要性について詳しく解説します。






エアサスペンションとは?


エアサスペンションは、従来のコイルスプリングの代わりに、**エアバッグ(エアスプリング)**と呼ばれる空気を充填するパーツを使用し、車体の高さや乗り心地を調整するシステムです。

W212後期では、一部のグレードにリアのみエアサスが採用されており、エアコンプレッサー(エアポンプ)とレベリングセンサーを組み合わせて、自動で車高を調整します。荷物の積載量や乗員数の変化に応じて最適な高さを維持し、安定した走行を実現しています。






W212後期の車高落ちの原因


W212後期のリアエアサスが故障すると、車両の後部が異常に沈み込み、明らかに車高が低くなる「車高落ち」現象が発生します。主な原因は以下の通りです。


1. エアスプリングの劣化・破損

エアスプリングはゴム製のため、経年劣化や外的要因(小石の跳ね上げ、凍結によるひび割れなど)により亀裂が入り、エア漏れを引き起こします。特に10万km前後を超えた車両では、ゴムの劣化が進み、突然のエア漏れが発生することがあります。


2. エアコンプレッサーの不具合

エアサスを適切に作動させるためには、エアコンプレッサーが正常に機能していることが前提です。コンプレッサーの故障やフィルターの詰まりにより、十分な空気を供給できなくなると、車高が維持できなくなります。


3. エアホースやバルブブロックの不良

エアホースに小さな亀裂が入ると、そこから徐々にエアが漏れ、時間とともに車高が低下します。また、エアを制御するバルブブロックが故障すると、エアが適切に送られず、車高が下がる原因となります。


4. レベリングセンサーの故障

W212のエアサスには、車高を測定するレベリングセンサーが搭載されています。このセンサーが故障すると、エアサスが正しく作動せず、異常な車高変化を引き起こします。






スタビリンク、ショック、ナックルをロアアームから切り離します。
スタビリンク、ショック、ナックルをロアアームから切り離します。



ロアアームを傾け、エアサス本体を取り外します。
ロアアームを傾け、エアサス本体を取り外します。




リアエアサス交換の必要性


車高落ちが発生した場合、エアスプリングを交換するのが基本的な修理方法です。以下の理由から、早めの交換が推奨されます。


  1. 走行性能の低下

    • 車高が落ちるとサスペンションのバランスが崩れ、直進安定性やコーナリング性能が悪化します。

  2. 乗り心地の悪化

    • エアサスのエア漏れにより、本来のクッション性が失われ、突き上げ感が強くなります。

  3. 他の部品への影響

    • 車高が低くなった状態で走行を続けると、ショックアブソーバーやアーム類への負担が増加し、二次的な故障につながる可能性があります。

  4. エアコンプレッサーへの負担

    • エア漏れがあると、コンプレッサーが過剰に作動し続けるため、最終的にコンプレッサーも故障するリスクが高まります。




取り外したエアサス
取り外したエアサス

新旧比較
新旧比較


エアホース先端のバルブ(ボルト)も交換します。
エアホース先端のバルブ(ボルト)も交換します。

Oリング劣化でここからも漏れることがあります。
Oリング劣化でここからも漏れることがあります。




交換後のアライメント調整の重要性


エアサスを交換した後は、アライメント調整を行うことが非常に重要です。エアサスは車高に影響を与えるため、交換後にホイールアライメントを適正な状態に調整しないと、走行性能やタイヤの寿命に悪影響を及ぼします。





【アライメント調整を行う理由】

  1. 直進安定性の向上

    • 車高が変わるとトー角(タイヤの向き)が変化し、直進時のフラつきが発生する可能性があります。

  2. タイヤの片減り防止

    • アライメントがズレたままだと、タイヤの片側だけが異常に摩耗し、タイヤ寿命が短くなります。

  3. コーナリング性能の維持

    • サスペンションの設定が適切でないと、コーナリング時の安定性が低下し、ハンドリングに違和感が生じます。


【アライメント調整でチェックすべき項目】

  • トー角(前後のタイヤの向き)

  • キャンバー角(タイヤの傾き)

  • キャスター角(ステアリングの戻り具合)

特にリアエアサスを交換した場合、リアのトー角やキャンバー角が変化するため、適切な調整が必要です。






まとめ


メルセデス・ベンツ Eクラス(W212後期)のリアエアサスは、快適な乗り心地を提供する一方で、経年劣化による故障が避けられません。車高落ちが発生した場合は、エアスプリングや関連部品の点検・交換が必要です。

エアサスの交換後は、必ずアライメント調整を行い、走行性能を最適な状態に保ちましょう。




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